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安定した就労と生活のための支援

質の高い就労定着支援とは、就職後の職場や業務への慣れや職業生活を支える日常生活の安定などを目指し、段階的に職業パフォーマンスの安定や本人の心理的な安定を可能にする職場環境、生活環境の調整を図り、本人から必要な支援をリクエストできる力の獲得と安定を目指し、就労定着支援終了も必要に応じて支援が必要な場合には、相談できる姿を目指すものです。また、就労定着支援では、こうした職業人としての自立を目指しながら、自分自身のキャリア形成や将来の生活を見越した基盤形成が必要です。つまり質の高い就労定着支援とは、目の前の職場や職務への適応や安定したパフォーマンスの発揮だけでなく、中長期的な地域生活やキャリア形成を見越した生活力の向上、トラブルやうまくいかない状況を周囲へ伝えることができる力の育成という視点が含まれている必要があります。

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質の高い就労定着支援における職場定着の支援と生活支援のバランス

質の高い就労定着支援では、職場定着の支援と生活支援の両方をその支援の視点として据えて、その日々の支援を実施していくことが求められます。

安定した就労と生活を送るには、職場定着が円滑に進んでいることと同時に日々の生活の安定と生活の基盤となる地域生活の安定が重要になります。

特に、本人の家族との同居などでない生活スタイルの場合には、日々の生活がどのように安定できるのか、ヘルパー派遣を利用している場合には、担当ヘルパー、グループホーム等を利用している場合には、グループホームの職員、訪問看護の看護師等、その他の日々の生活に関わる支援者との情報共有をしていくことはとても大切な点となります。

安定した就労と生活のための生活支援

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(1) 本人の自信の向上とエンパワーメント

働く日々を送る上では、うまくいかないことやトラブルが生じることもあります。そうしたことが続く場合には、不安になったり、自信がなくなったりすることがありますが、本人が自信をもって働く日々を前向きに捉え、自分のできる力を無理なく発揮し、充実した生活を送れるようにサポートすることが大切です。特に過小評価傾向に陥り不安が高まりやすい場合には、本人のできていること、努力していることなどを認めつつ、エンパワーメントできるように適宜フィードバックを行うなどのサポートは重要です。

(2) 生活管理に関する支援

生活管理に関する支援では、生活リズムや生活習慣の乱れ、変化への対応、衛生管理・健康管理の工夫や見直し、ストレスの対処へのアドバイス・工夫の支援、金銭管理スキルの工夫、家族関係・友人関係の安定、医療機関の安定した利用など、その内容は多岐にわたります。これらの全ての内容を就労定着支援事業所だけで対応することは困難です。日常生活を支えるサポートとして、市町村のホームヘルパー派遣による家事援助等のサービスや服薬管理等であれば医療機関から訪問看護などの利用が可能な場合もあります。本人の日常生活を支えることができる地域の資源や工夫について、整理をするなど、関係機関との調整や情報共有等を通じて支援していくことが重要です。

(3) 地域生活の支援

地域生活の支援では、特に余暇活動の充実などが日々の生活を豊かにするうえで大切な要素になります。

就労定着支援事業所が利用者を対象に、余暇活動の充実の取組みや集いを企画運営したりするなど、余暇に繋がる機会の創出を行っている取り組みも多く散見されます。こうした企画は非常に有効ですが、サービス終了後を見越すと定着支援事業所以外が企画する余暇活動や地域の生涯学習の機会として提供されている活動やボランティアサークル、地域のクラブサークル等幅広い視点で本人の余暇として充実感を高められる機会の情報提供やきっかけをつくるような取り組みが重要になります。

またこれからの生活設計や年金等の申請管理など金銭管理等に関わることも必要になる場合があります。就労定着支援事業所だけでこの点をサポートすることは難しいため、担当の相談支援事業所や地域の社会福祉協議会、基幹相談支援センター、社会保険労務士事務所等へ繋ぐ支援や本人の現状を知る支援者として情報共有をするなどの支援が重要になります。

みんなの質の高い就労定着支援の推進

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